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なぜ塩は生命に必要なものなのか?

塩は水と空気と同様に、生命に必要な物質です。しかし、塩に含まれた無機塩類はどこから来たものなのか?なぜ海水は無機塩類を含むようになったのか?この疑問を解くためには、塩という物質を構成する元素の起源、つまり宇宙創生まで遡ることになります。同時に「なぜ生命に必要なのか?」を解き明かすためにも、宇宙の始まりであるビッグバンから探ってみます。

生命は92の天然元素を駆使し、海から誕生した。

約150億年前に起こったビッグバン。水素から始まった宇宙は、星の誕生と消滅を繰り返しながら、超高熱の核融合の中から、次々と重い元素を創りだしてきました。宇宙は地球が誕生するまで約104億年の時間をかけて、水素からウランまでの92の天然元素を創りだしたのです。
地球は太陽エネルギーと大気と水を得られる好適な位置にありました。水と太陽と空気を得た地球は、約40億年前、宇宙創生の92の天然元素を駆使して、還元力に溢れた酸素のない海から原始生命を誕生させたのです。
この92の天然元素の中でも、硫黄と酸素は生命の進化と塩に深く関わり、原始生命体は初めて硫化水素(H2S)から微少なエネルギーを得て生命活動を開始しました。

生物は必要な無機塩類バランスを記憶している。

生命は、やがて複雑な進化を遂げ、植物を生み、動物を生み、環境を整え、そして受け継ぐという、地球生態系の循環を創り出します。地球上に存在するほとんどの元素を含む鉱物「火成岩」の循環も重なり、生物に必要な無機塩類バランスが完成し、記憶(記録)が受け継がれ始めたのです。

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